昨今の建築計画に於いて環境に配慮することは普遍的なテーマであるが、更にそれを見せることはデザインの重要な機能であり、こうした点も加味して若月印刷本社屋増築工事を選出した。一本のやまぼうしを増幅して、森を作り出すというデザイン手法は非常にわかりやすく、建築関係者だけでなく誰にでも解るデザインとして好ましい。フロント材を巧みに使い増幅された樹形とそれをとりまく空間は、水の移り込みと照明のデザインが効いて解りやすさを一層引き立てている。