新東名高速道路が開通した。こうした国土計画や都市インフラ整備は土木工学の分野として評価されることが多く、建築やランドスケープの視点で検討されることは少ない。この作品は大きな枠組みでコンセプトを構想しながら各々のデザインに見事に反映されている点において卓越している。こうした傾向は国外では更に顕著で、中東や南米諸国では国家規模でプロジェクトが動き国際競走が激しさを増し、特に高速鉄道や道路網など社会基盤整備に絡む様々なデザインの重要性が問われている。これは開発や建設分野が益々大きな枠組で捉えられ、そうした構想の中でデザインも展開しなければならないことを意味している。今後世界の開発・建設市場で急拡大が予想される社会資本や基盤整備事業の中で 人間との接点としての建築やそのフロントのデザインのあるべき方向性を示唆しているという視点からこの作品を本年度のグランプリとした。
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