浜山保育園は一言で言えば美しく、格好良いところが他の作品と比較して群を抜いている。特にカーブを描く外壁と大屋根の形状がフロント材を駆使した開口部のデザインと調和してバランスが良く、さらにそれを引き立てる素材、特に縦ルーバーと外装仕上げ材の目地の関係性も美しいと言える。本来建築とは美しく格好良いことが求められるが、ともするとコストや制度など様々な要因からそれを保つ事は極めて難しい。浜山保育園は見事にそうしたマイナス要因を解決しただけでなく、これをプラスに変換しながら美しさを更に高めて格好良いデザインを実現している。美しさと格好良さはデザインのメートル原器のようなもので、審査において最も重要な指標であり、この作品は十分にそれを満たして審査員の審美眼を納得させるものであった。 |