第22回全国フロント施工例コンテストを論評する。今年は時代が転換期であることを印象付ける作品が目立った。それらに共通するテーマは『再生とエコ』である。これまでの新築物件に代わり、既存ストックを利活用する物件を評価した。リノベーションやコンバージョンによる建築の更新は近年社会的に急速に認知され、建築業界に普及しているが、その多くは安心安全のための耐震構造補強や利便性のための設備改修が多い。しかし今後は社会性に配慮したゼロエミッションや低炭素社会に向けた環境性能、また人や施設の活動の見える化を促す外装のデザインが重要性を増すであろう。このとき効果的な計画手法が建築のフロントと言っても過言ではない。これまでこうした取り組みは少なかったが、今年はこうしたエントリーが顕著で、再生とエコに向けた質の高いデザインも散見された。今後こうした社会性を重視した傾向が時代の要請と相まって更に普及していくことを期待したい。 |