都市公園法の改正で、民間活力の導入によって魅力向上を図るこれまでにない小規模商業施設物件である。特に官民連携という新たな事業モデルをデザインにどう反映させたか精査した。本施設は、公園全体の魅力・賑わいを先導し、動物園・美術館・慶沢園など行政が運営主体の諸施設との連携を強く意図している。更に隣接する超高層複合施設などの高密度な都市施設と自然が相乗効果を生み、通常の商業施設とは異なる多様なアクティビティ、地域交流、賑わいイベント、周遊観光等々の都市活動を促進する点が素晴らしい。仮設構造物、暫定的土地利用による 軽い建築物はともするとチープなデザインに陥るが、この物件はガラスを多用して内部のコンテンツを最大限外部の公園に表出した賑わい作りに貢献している。また公園特有の自然物と調和する素材と、看板等商業の賑やかしを際立たせるなど立地と目的を十分に配慮したデザインは見事であり、これを実現するフロント材の使い方を高く評価した。公園と都市の新たな関係性を生む施設のフロントは今後ふえるであろう官民連携施設デザインの指針となる事が期待される。
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