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アスベストパッキンを含有しているパーツが組み込まれた水栓金具を使用している。水を飲み続けてきたが大丈夫か? |
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アスベストパッキンは水栓金具から外部に水が漏れないようにするための部品で、アスベストをゴムで固定化した材料が使用されています。この部品が蛇口から出る水に接している部分はわずかです。アスベストパッキンから水に石綿が流出する可能性はゼロとはいえませんが、世界保健機構(WHO)が策定・公表している飲料水水質ガイドラインでは、「飲料水中のアスベストについては、"健康影響の観点からガイドライン値を定める必要はないと結論できる"」としています。また、現在のところ水を介して摂取したアスベストを原因とする疾病が増えるという情報はありません。
<参考> 石綿は呼吸等によって吸入した場合、人への影響があることが分かっています。また、石綿は天然に産するもので、自然水にも多くの種類の繊維が含まれており、その水を摂取することによって特定の疾病が増えるという報告はありません。
⇒出典:社団法人日本石綿協会HP |
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(9) |
アスベストを使用した商品が設置されている場合、アスベストが無いものに交換してもらえるか? |
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上記(8)項及び(9)の説明のように、既往の知見によれば通常の使用状態では危険はないと考えられますので、当社としては既に設置されている商品やパーツの交換はいたしません。 |
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第3部 アスベストを使用した商品の流通加工と施工 |
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(10) |
過去にアスベストを使用した商品の流通加工や施工に携わってきた。健康被害のおそれはあるか? |
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どのような加工や施工を行っていたか、どのような環境のもとで作業してきたか、どの程度の期間従事してきたかによって危険の度合いが異なります。
アスベストを含むボード類の切断や粉砕など、粉じんが生じる作業を長期間行っていた場合には健康被害の危険がないとは言いきれません。ご心配のある方は、まず近くの労災病院等の専門医療機関に相談することをお勧めします。
⇒出展:「アスベスト(石綿)についてQ&A(2005年7月29日)」厚生労働省HP |
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(11) |
リフォーム工事を行っている。既設のアスベストを含むボード類の切断や穴あけ加工などを行うことがある。注意事項を教えて欲しい。 |
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アスベスト粉じんを飛散させないこと及び吸わないことに配慮した作業をすることで健康影響発生の可能性を少なくすることができます。
アスベスト粉じんを飛散させない方法には、切断や穴あけするものを水で濡らす、局所排気装置の利用や窓を開けること等が考えられます。また、工事箇所の周辺に粉じんを拡散しないようにする居住者への配慮も大切です。
アスベスト粉じんを吸わないためには、防じんマスク等の適正着用、風上で作業等の工夫を行うことが考えられます。一般的には、国家検定に合格した取り替え式防じんマスクを推奨します。一時的な作業には、使い捨て式防じんマスクも使用可能ですが、マスクとの密着性に注意が必要です。また、石綿粉じんを吸入しないためには防じんマスクの正しい使用方法、保管が大切です。
⇒出展:「アスベスト(石綿)についてQ&A(2005年7月29日)」厚生労働省HP
⇒出典:「建築物の解体等の作業における石綿対策」厚生労働省
⇒出展:「既存建築物における石綿使用の事前診断監理指針(2005年4月)」社団法人 日本石綿協会 |
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FRPの粉じんは吸い込んでも大丈夫か? |
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FRPの粉じんには、細いガラス繊維が含まれますが直径は4〜8ミクロンあり、肺に入り込みにくく肺に吸入されても体液に溶けて短期間で排出されます。IARC(国際ガン研究機関)の分類でもグループ<3>(ヒト発がん性に分類し得ない物質)と評価されており、FRPの粉じん中のガラス繊維については肺がんとなる可能性はアスベストと比べれば非常に低いといえます。しかしながら、FRPの粉じんも一般の粉じんと同じ異物になりますので、長期間大量の粉じんを取り込むことでじん肺等の病気が発生する可能性がないとは言えません。特に換気の悪い空間での作業や、動力で切断加工を行う場合には、局所排気装置を取り付けるか、防じんマスク等の保護具を着用して下さい。
<参考> WHO(世界保健機関)の定義によると、肺の内部に吸入される吸入性繊維とは、「直径が3ミクロン以下、長さがその3倍以上のもの」であり、容易に肺にまで到達してしまいます。アスベストは直径1ミクロン以下の極めて細い繊維でこれに該当します。
⇒出典:硝子繊維協会HP「安全性Q&A」 |
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人造大理石のカウンターを切断したときにその粉じんを吸い込んでも大丈夫か。 |
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トステムの人工大理石カウンターにはアスベストは含まれていませんが、一般の粉じんと同様に長期間大量の粉じんを取り込むことでじん肺等の病気が発生する可能性がないとはいえません。特に換気の悪い空間での作業や、動力で切断加工を行う場合には、局所排気装置を取り付けるか、防じんマスク等の保護具を着用してください。 |
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第4部 アスベストを含む建材の廃棄処分 |
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アスベストを使用した建材を撤去解体する場合どのように処置すればよいのか? |
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アスベスト粉じんを飛散させないこと、及び吸わないことに配慮した作業をすることで解体工事箇所周辺及び作業従事者の健康影響発生の可能性を少なくすることができます。
アスベスト粉じんを飛散させなためには、可能な限り切断や粉砕しない撤去を行うように努めてください。切断等を行わざるを得ない場合には、屋外で対象物を水で濡らしながら作業するようにしてください。やむを得ず屋内作業とする場合には、局所排気装置の利用により積極的に換気を行う必要があります。
また、作業者が極力石綿粉じんを吸わないようにするためには、防じんマスク等の適正使用、風上での作業等の工夫を行うことが考えられます。一般的には、国家検定に合格した取り替え式防じんマスクを推奨します。一時的な作業には、使い捨て式防じんマスクも使用可能ですが、マスクとの密着性に注意が必要です。又、石綿粉じんを吸入しないためには防じんマスクの正しい使用方法、保管が大切です。
建物の解体工事に際しては、「石綿障害予防規則」(2005年7月改正施行)に基づく適切な対処が必要となります。その概要は、厚生労働省発行の「建築物の解体等の作業における石綿対策(解体事業者向け)」をご参照ください。パンフレットは、厚生労働省のHP上で公開しています。
⇒HPアドレス:http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/02/tp0224-1.html#pamph |
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アスベストの処分はどうすればよいのか? |
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窯業サイディング、セメント成形板や珪酸カルシウム板などのように石綿が飛散しにくいものは、「非飛散型」に分類されており、通常の場合産業廃棄物として安定型処分場で処分することができます。なお、自治体によっては管理型処分場での処分とするように指導している場合があります。不明な場合には廃棄物処理業者を通じて管轄自治体に照会してください。
⇒参考文献:「非飛散性アスベスト廃棄物の取扱いに関する技術指針」
一方、吹付石綿、大気汚染防止法に定める特定粉じん(石綿)発生施設設置事業所からの石綿を含む粉じん、及び吹付石綿除去作業または特定粉じん発生施設設置事業所から発生する防じんマスク、集じんフィルター、シート、作業衣等で石綿が付着しているおそれのあるものについて以下のいずれかの措置をした上で管理型処分場またはしゃ断型処分場で処分するよう定められています。
・耐水性の材料で二重に梱包すること。(丈夫なプラスチック袋等を使用する)
・固形化すること。 |
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