おしらせ
当社におけるアスベスト(石綿)の使用状況について
過去に販売したアスベスト配合製品について
  
「アスベスト(石綿)」に関するQ&A
制作・編集:トステム株式会社
第1部 アスベストに関する基礎知識
 
(1) アスベスト(石綿)とは?
   アスベストは、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」、「いしわた」と呼ばれています。成分の違いにより6種類に細分類されます。このうち、「青石綿(クロシドライト)」、「茶石綿(アモサイト)」、「白石綿(クリソタイル)」の3種類が各種の工業用材料として用いられてきました。とりわけ青石綿、と茶石綿は人体への有害性が高く、1995年以降は輸入と製造が禁止されています。
 アスベストはその繊維が極めて細いため、研磨機、切断機などの施設での使用や飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において所要の措置を行わないと石綿が飛散して人が吸入してしまうおそれがあります。以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていましたが、昭和50年に原則禁止されました。
 その後も、スレート材、ブレーキライニングやブレーキパッド、防音材、断熱材、保温材などで使用されましたが、労働安全衛生法の一部改正により、平成16年10月にはアスベストが1重量%を超えて含有する製品の製造等がごく一部の例外を除き禁止となりました。さらには平成18年9月にその含有率が0.1重量%と見直され、アスベスト使用に関する規制が一層強化されています。
 アスベストは、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで予防や飛散防止等が図られています。
   ⇒出展:「アスベスト(石綿)についてQ&A(2005年7月29日)」厚生労働省HP
   ⇒出展:「既存建築物における石綿使用の事前診断監理指針(2005年4月)」社団法人 日本石綿協会
 
(2) アスベストはどのように人体に取り込まれるのか? 取り込まれるとどうなるのか?
   アスベストは、その繊維が極めて細く、空中に浮遊します。このため、人の呼吸器から吸入しやすいという特質を持っています。また、通常の環境条件下では半永久的に分解、変質しないこと及び地表に沈降したものが再度粉じんとして空中に飛散するため、環境蓄積性が高い点が、他の物質と異なります。
 アスベスト粉じんが呼吸器系に吸入されると、他の粉じんと同様に、異物として、マクロファージ(大喰細胞)に取り込まれ、吸入した物の化学成分によっては、溶かされて、最終的にタンとなって体外に排出されます。しかしながら、粉じんの大きさなど吸い込んだ状況によって残る場合があると考えられています。なお、カナダが行った研究によると、白石綿(クリソタイル)の半減期(吸入された量が半分の量になる期間)は15日となっています。
 
(3) アスベストが原因で発症する病気は?
   アスベストの繊維は、肺繊維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています(WHO報告)。石綿による健康被害は、石綿を扱ってから長い年月を経て出てきます。例えば、中皮腫は平均35年前後という長い潜伏期間の後発病することが多いとされています。仕事で扱っている労働者の健康診断は、事業主にその実施義務があります(労働安全衛生法)。
   ⇒出展:「アスベスト(石綿)についてQ&A(2005年7月29日)」厚生労働省
 
(4) どの程度の量のアスベストを吸い込んだら発病するのか?
 アスベストを吸い込んだ量と中皮腫や肺がんなどの発病との間には相関関係が認められていますが、短期間の低濃度曝露における発がんの危険性については不明な点が多いとされています。現時点では、どれくらい以上のアスベストを吸えば、中皮腫になるかということは明らかではありません。
   ⇒出展:「アスベスト(石綿)についてQ&A(2005年7月29日)」厚生労働省HP
 
第2部 当社の商品について
 
(5) 現在トステムが販売している商品にアスベストを含有しているものはあるのか?
   現在当社が販売している商品には、アスベストを意図的に使用(配合)したり、アスベストを使用(配合)した材料を用いているものはありません。
 アスベストは、天然に産出する石材の一種であるため、自然界に広く分布しています。普通の砂利や砂にも微量含有しており、通常の空気中にもアスベスト繊維の浮遊が確認されます。従って、いかなる商品においても「含有ゼロ」と確約することは不可能です。当社では、「意図的に添加していないこと」を基本とし、意図しない不純物としての混入に関しては労働安全衛生法の規定に従って「含有率が0.1%以下であること」をもって「不使用」と定義しています。
 
(6) トステムが過去に販売していた商品にアスベストを含有しているものはあるのか?
   過去に販売していた商品には、アスベストを使用したり、アスベストを使用(配合)した材料を用いていたものがあります。一覧表にまとめてありますので、こちらをご参照ください。
   → アスベストを含む部材の過去における使用状況一覧表
 
(7) アスベストを含有している商品を使用していては危険ではないのか?
 上記(2)項の説明のように、アスベストは飛散した繊維を吸引しない限り危険性はないと考えられています。また、アスベストは、セメントとの密着性が高く、一旦成型したものは切断加工したり強い衝撃を加えたりない限り、繊維が飛散しにくい性質を持っています。
 過去に販売していた当社の商品にはアスベストを使用したり、アスベストを使用(配合)した材料を用いていたものがありますが、いずれもセメントに配合して成型しているものを使用していますので、通常の使用状態ではアスベスト繊維が飛散する危険はないと考えられます。
 なお、ものをぶつけるなど強い衝撃が加わって表面に傷がついたり、亀裂が生じた場合には、アスベスト繊維が飛散するおそれがありますので、接着剤や塗料を用いて補修してください。また、リフォーム工事や解体工事時に切断したり破砕したりするとアスベスト繊維が飛散するおそれがあります。板状のまま丁寧に取り扱う必要があります。撤去工事を行う場合の留意事項は後述します。
   ⇒出典:「既存建築物における石綿使用の事前診断監理指針(2005年4月)」社団法人 日本石綿協会
 
(8) アスベストパッキンを含有しているパーツが組み込まれた水栓金具を使用している。水を飲み続けてきたが大丈夫か?
 アスベストパッキンは水栓金具から外部に水が漏れないようにするための部品で、アスベストをゴムで固定化した材料が使用されています。この部品が蛇口から出る水に接している部分はわずかです。アスベストパッキンから水に石綿が流出する可能性はゼロとはいえませんが、世界保健機構(WHO)が策定・公表している飲料水水質ガイドラインでは、「飲料水中のアスベストについては、"健康影響の観点からガイドライン値を定める必要はないと結論できる"」としています。また、現在のところ水を介して摂取したアスベストを原因とする疾病が増えるという情報はありません。
 <参考>
石綿は呼吸等によって吸入した場合、人への影響があることが分かっています。また、石綿は天然に産するもので、自然水にも多くの種類の繊維が含まれており、その水を摂取することによって特定の疾病が増えるという報告はありません。
   ⇒出典:社団法人日本石綿協会HP
 
(9) アスベストを使用した商品が設置されている場合、アスベストが無いものに交換してもらえるか?
 上記(8)項及び(9)の説明のように、既往の知見によれば通常の使用状態では危険はないと考えられますので、当社としては既に設置されている商品やパーツの交換はいたしません。
 
第3部 アスベストを使用した商品の流通加工と施工
 
(10) 過去にアスベストを使用した商品の流通加工や施工に携わってきた。健康被害のおそれはあるか?
 どのような加工や施工を行っていたか、どのような環境のもとで作業してきたか、どの程度の期間従事してきたかによって危険の度合いが異なります。
 アスベストを含むボード類の切断や粉砕など、粉じんが生じる作業を長期間行っていた場合には健康被害の危険がないとは言いきれません。ご心配のある方は、まず近くの労災病院等の専門医療機関に相談することをお勧めします。
   ⇒出展:「アスベスト(石綿)についてQ&A(2005年7月29日)」厚生労働省HP
 
(11) リフォーム工事を行っている。既設のアスベストを含むボード類の切断や穴あけ加工などを行うことがある。注意事項を教えて欲しい。
 アスベスト粉じんを飛散させないこと及び吸わないことに配慮した作業をすることで健康影響発生の可能性を少なくすることができます。
 アスベスト粉じんを飛散させない方法には、切断や穴あけするものを水で濡らす、局所排気装置の利用や窓を開けること等が考えられます。また、工事箇所の周辺に粉じんを拡散しないようにする居住者への配慮も大切です。
 アスベスト粉じんを吸わないためには、防じんマスク等の適正着用、風上で作業等の工夫を行うことが考えられます。一般的には、国家検定に合格した取り替え式防じんマスクを推奨します。一時的な作業には、使い捨て式防じんマスクも使用可能ですが、マスクとの密着性に注意が必要です。また、石綿粉じんを吸入しないためには防じんマスクの正しい使用方法、保管が大切です。
   ⇒出展:「アスベスト(石綿)についてQ&A(2005年7月29日)」厚生労働省HP
   ⇒出典:「建築物の解体等の作業における石綿対策」厚生労働省
   ⇒出展:「既存建築物における石綿使用の事前診断監理指針(2005年4月)」社団法人 日本石綿協会
 
(12) FRPの粉じんは吸い込んでも大丈夫か?
 FRPの粉じんには、細いガラス繊維が含まれますが直径は4〜8ミクロンあり、肺に入り込みにくく肺に吸入されても体液に溶けて短期間で排出されます。IARC(国際ガン研究機関)の分類でもグループ<3>(ヒト発がん性に分類し得ない物質)と評価されており、FRPの粉じん中のガラス繊維については肺がんとなる可能性はアスベストと比べれば非常に低いといえます。しかしながら、FRPの粉じんも一般の粉じんと同じ異物になりますので、長期間大量の粉じんを取り込むことでじん肺等の病気が発生する可能性がないとは言えません。特に換気の悪い空間での作業や、動力で切断加工を行う場合には、局所排気装置を取り付けるか、防じんマスク等の保護具を着用して下さい。
 <参考>
WHO(世界保健機関)の定義によると、肺の内部に吸入される吸入性繊維とは、「直径が3ミクロン以下、長さがその3倍以上のもの」であり、容易に肺にまで到達してしまいます。アスベストは直径1ミクロン以下の極めて細い繊維でこれに該当します。
   ⇒出典:硝子繊維協会HP「安全性Q&A」
 
(13) 人造大理石のカウンターを切断したときにその粉じんを吸い込んでも大丈夫か。
 トステムの人工大理石カウンターにはアスベストは含まれていませんが、一般の粉じんと同様に長期間大量の粉じんを取り込むことでじん肺等の病気が発生する可能性がないとはいえません。特に換気の悪い空間での作業や、動力で切断加工を行う場合には、局所排気装置を取り付けるか、防じんマスク等の保護具を着用してください。
 
第4部 アスベストを含む建材の廃棄処分
 
(14) アスベストを使用した建材を撤去解体する場合どのように処置すればよいのか?
 アスベスト粉じんを飛散させないこと、及び吸わないことに配慮した作業をすることで解体工事箇所周辺及び作業従事者の健康影響発生の可能性を少なくすることができます。
 アスベスト粉じんを飛散させなためには、可能な限り切断や粉砕しない撤去を行うように努めてください。切断等を行わざるを得ない場合には、屋外で対象物を水で濡らしながら作業するようにしてください。やむを得ず屋内作業とする場合には、局所排気装置の利用により積極的に換気を行う必要があります。
 また、作業者が極力石綿粉じんを吸わないようにするためには、防じんマスク等の適正使用、風上での作業等の工夫を行うことが考えられます。一般的には、国家検定に合格した取り替え式防じんマスクを推奨します。一時的な作業には、使い捨て式防じんマスクも使用可能ですが、マスクとの密着性に注意が必要です。又、石綿粉じんを吸入しないためには防じんマスクの正しい使用方法、保管が大切です。
 建物の解体工事に際しては、「石綿障害予防規則」(2005年7月改正施行)に基づく適切な対処が必要となります。その概要は、厚生労働省発行の「建築物の解体等の作業における石綿対策(解体事業者向け)」をご参照ください。パンフレットは、厚生労働省のHP上で公開しています。
   ⇒HPアドレス:http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/02/tp0224-1.html#pamph
 
(15) アスベストの処分はどうすればよいのか?
 窯業サイディング、セメント成形板や珪酸カルシウム板などのように石綿が飛散しにくいものは、「非飛散型」に分類されており、通常の場合産業廃棄物として安定型処分場で処分することができます。なお、自治体によっては管理型処分場での処分とするように指導している場合があります。不明な場合には廃棄物処理業者を通じて管轄自治体に照会してください。
   ⇒参考文献:「非飛散性アスベスト廃棄物の取扱いに関する技術指針」
有害廃棄物質含有等製品廃棄物の適正処理検討会編
HPアドレス:http://www.env.go.jp/recycle/misc/asbesto.pdf
 一方、吹付石綿、大気汚染防止法に定める特定粉じん(石綿)発生施設設置事業所からの石綿を含む粉じん、及び吹付石綿除去作業または特定粉じん発生施設設置事業所から発生する防じんマスク、集じんフィルター、シート、作業衣等で石綿が付着しているおそれのあるものについて以下のいずれかの措置をした上で管理型処分場またはしゃ断型処分場で処分するよう定められています。
 ・耐水性の材料で二重に梱包すること。(丈夫なプラスチック袋等を使用する)
 ・固形化すること。
 

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