トステム
連載
「家づくり日記」5月号
5月1日(月)「くちなしの似合う家」

庭に咲いたくちなしを切って居間に一輪差しを置いたら、たちまち良い香りが家中に漂う。

色鮮やかな緑色の螺旋形をしたつぼみも、白い花も愛らしくて好き。できるなら、くちなしが似合う家をつくりたい。落ち着きがあってほっとする家に。

千里(大学の友人)が久しぶりに電話をしてきたので、「秋ごろには家を建てるかも知れない」と言うと、「あら、うちは今建てているの。だから実家に亭主と仮住まいなのよ」と答えが返ってきてびっくり。さっそく様子を聞いた。近くの工務店に紹介された建築家に設計を頼んだそうだ。

「専門家の意見ってなるほどと思うとが多いの。庭が狭い家は、家が威張っていると余計に庭が狭く見えますよって。ご夫婦だけなのだから、家中を自分の部屋だと思えばいい。リビングを広くとれなくても、連続したテラススペースをとって、お客様にゆったりとした気分を与えることもできるとか…。一度見に来てよ。7月の半ばには引越しができるから」私は「建築中でもいいから見せてよ」と言って電話を切った。

明後日には女性誌の広告で案内をしていた、トステムのショールームに家族3人で行くことにした。トステムという会社名は、鹿島アントラーズのユニフォームで見慣れていて親しみが湧くし。

5月4日(木)「トステムのショールーム」

昨日はトステムのショールームへ行った。

地下鉄の出口を出たら「ほら、あそこだ」と娘が大きな声をあげた。周りには公園や、大きなホール、高層マンションなどがあるゆったりとした環境。

ガラス張りの正面玄関を入ると、アントラーズの人形が迎えてくれた。

休日なので、広い館内にはたくさんの人が来ていた。田中さんという人がついて、ていねいに案内してくれた。

予備知識なしで行ったので、家をつくるためには、こんなにいろいろな部材が必要なのだと、ちょっとびっくりした。


まだ先のことだけれど、家の図面を持っていくと、無料でドアや窓などのプランを考えてくれるということなので、ぜひ利用しよう。

帰りは公園の中を歩いて、駅のそばでお茶をして帰ってきた。娘はしっかりモンブランを注文。私はダイエットのため、夫とレアチーズケーキを半分ずつ。

5月14日(月)「家は人をつくる」

緑が濃くなった庭、上を見るとかえでがすっかり大きな葉となって陽差しを受けている。私がこの家に来た時は、背の高さ位しかなかったのに。

最近の家族の話題はもっぱら家のこと。
互いの実家や兄弟の家の話など、あらためて家って、その人の生活に密着しているだけでなく、価値や生き方に関わってくる大切なものだということがよくわかった。


夫は、理想主義と言うかロマンチスト。私はどちらかというと現実主義。そして娘は、私たちのいいところ!?をとった客観主義で、自分の感覚を大切にするタイプ。

「広いリビングにして、カウンターバーがあって、若い時に描いた油絵だけを壁にかけて、一人静かにグラスを傾ける」と夫。

私は、「キッチンはちょっと狭い位がいいな。手が届くところに何でもあって。
そうすれば、しまい忘れの期限切れというのもなくなるでしょ。
でも窓はなるべく大きくして、庭をながめながら台所仕事がしたい」と。

娘はこんなことを言った。「家族が集まる部屋は和室がいいと思う。
畳に素足は気持ちいいし、ちゃぶ台置けるし…」

家のことを話題に、今、家族間のコミュニケーションはとてもうまくいっている。

5月20日(日)「14歳の自立」

娘のゆかりは3月生まれ14歳。要領良く勉強するタイプで、学校の成績は悪くない。一人娘でちょっと心配だったが、素直に育ってくれた。

リビングは和室がいいと話していたように、家をイメージする時に、しっかりその暮らし方まで考えていたりして感心する。

「外国の映画を見ていると、親も子供の部屋に入る時にノックする。そして母親が子供の部屋に入って話をする時は、普段とちょっと違う話をするのよね」

この子はもう、母親の私との関係、父親との関係を自分を中心にして、少しずつ考えていくことが必要だと思っている。社会人としての自覚が生まれている、と思うのはちょっと買かぶり?

「徹夜をして本を読んだり、ラクなかっこうで過ごしたり、自分の部屋だからできることはたくさんあるけれど。そんなに自分の部屋は広くなくてもいいよ。友達が来てもなるべく自分の部屋には入れないつもりだし。誰でも私のお客さんで来た人は、家族のお客さんとして、パパにもママにも知っておいてもらった方がいいでしょ」

確かに夫の親友の和田さんは、たまに来られると家族全員と話をしてくれるし、冗談も楽しいし…。うちの娘に関しては、今話題になっている引きこもりは関係ないみたい。

「ゆかりは本が好きだから、広い部屋で造り付けの本棚つくったら…」と私が言うと「本もCDも家族みんなで使えるような場所に置いた方がいいよ」と娘。なるほどなるほど…。
私も通気とか、保温とかキッチンや他の部屋の機能を、実際に使うことを考えてマジメに勉強しよう。

5月30日(水)「いろいろある家の工法」

図書館で、家の工法について書いている本を借りてくる。家の外観がいろいろあるように、工法にもいろいろある。

まず、コンクリートでつくるか、木造にするのか。私はぬくもりのある木がいい。
友達のマンションに行くと柱がない。柱がない家はなんとなく落ち着かない。まず柱を組み立てて屋根をつくっている建築中の家を見かける。これは日本の在来工法。
先に床をつくって、まわりに壁を立てていくのが2×4。

これも一度だけ見たことがある。すぐにまわりを囲ってしまったので、その後の工事は見られなくなった。

それぞれ特徴や違いがあるのだろうけれど、まだよくわからない。

どんな家にするかというのは、実は最初にどんな工法にするのかというのを決めなければならないので、研究が必要。でも、これもゆかりにまず応援を頼もうかしら。


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