今月の業界NEWS トピックス

住宅エコポイントの予算は足りるのか

 住宅エコポイントは年内着工物件が対象。ついに締め切りまで半年を切った。発行額は6月末までの累計で約58億円相当。このうち新築が約34億円相当、リフォームが約23億円相当で、発行額ベースでは新築の方が上回っている。なお戸数ベースでみると、新築で約1万1000戸、リフォームで4万9000戸と、リフォームが多い。3月の受付開始以来、リフォーム先行で利用されてきたが、エコポイント対応をうたう新築は増えており、今後は新築の増加も予想される。
 特に6月は、1カ月間で42億円相当ものポイントが発行された。「早くしないとポイントがなくなる」と懸念する向きもいるかも知れない。だが安心して良い。
 本事業の予算規模は国交省、経産省、環境省の3省庁合計で1千億円に達する。一方、6月末までの発行額ベースでの割合は新築が約6割だった。このペースでいけば、新築向けでは600億円、つまり20万戸分が用意されている計算になる。果たして年内にエコポイント対象の新築があと19万戸も建つだろうか。実際問題、現状のペースなら、年内いっぱいは枠の心配をする必要はほとんどないと思われる。
(2010年7月14日付 配信)

大手の受注回復、先行きには不透明さも

 大手住宅メーカーの2010年度第1四半期受注実績(4月〜6月=速報値)がまとまった。戸建を中心とした住宅受注については、3月期決算企業7社のうち5社が前年同期比でプラスとなったほか、マイナスの2社もわずかな下げ幅にとどまった。1月期決算の積水ハウスも6月までの5カ月累計で二ケタの伸びを計上。各社の受注が回復基調にあったことが確認された。一方で、今後の住宅受注について「第2四半期以降は厳しい」との見方は増えている。
 受注が回復した10年第1四半期は、税制をはじめとする政府の各種の住宅取得支援策の効果が貢献したとの見方で各社とも一致している。しかし直近の株価の不安定さや景気の先行きの不透明感が払拭されていないなど、不安と期待が交錯している。
(2010年7月21日付 配信)

85%が「エコ住宅」に関心、国交省調査

 理想の住まいにおける性能の優先度は、「採光・通気性」、「省エネ性」、「耐震性」の順−−。国土交通省がインターネットを利用して行った「住生活に関する国民アンケート」の調査結果。重要度の高いとされた項目順に並べると、「採光・通気性」39.8%、「地震に強い」38.8%、「維持費が安い」31.9%、「省エネ性が優れている」26.7%となった。「今後の住まい方」を聞いた設問では、「エコ住宅での暮らし」に85.1%の回答者が関心があるとした。
 「理想の住まいの形態」を聞いた設問では、68.7%が「持ち家」と答えた。うち71.8%が「戸建て」と答え、この傾向は特に地方圏で顕著だった。新築と中古のどちらが良いかを聞いた設問では、「新築」との回答は57.5%程度。約43%が「中古」でも良いとしていた。
(2010年7月7日付 配信)

【記事配信元 住宅産業新聞

今月のフォーカスポイント

「景気回復」は持続するのか

 大手住宅会社の受注数が、今年春から夏にかけて回復傾向にあったことがわかりました。「税制をはじめとする政府の各種の住宅取得支援策の効果」と評価する声が出ています。ただし直近では、景気先行指標の代表である国内の株式相場が再び下落に転じており、楽観視はできないようです。支援策の代表例である住宅エコポイントは、終了まであと半年を切りました。6月末までに新築・リフォームの合計で6万戸に利用されました。政府はエコカー関連の補助金を9月で打ち切る方針ですが、住宅エコポイントは大丈夫でしょうか。記事は「枠は十分にある」と伝えています。一方、政府が実施したインターネットアンケートでは、回答者の85%もが「エコ住宅での暮らし」に関心があると答えており、潜在ニーズとしての住宅投資への関心は根強いことがわかりました。

ポイント

■住宅エコポイントの発行額が急拡大

 住宅エコポイントは申請書の受け付けから発行までに数カ月を要します。制度開始当初は少なかった申請も徐々に増加しており、それに伴って毎月の発行額も増加傾向にあります。6月の1カ月間における発行額は42億円相当(1ポイント=1円)となり、前月(5月)の約3倍にふくれ上がりました。今月配信の記事は、そうしたなかで「予算枠は大丈夫か」という読者の心配に答えたものです。総予算枠が1千億円に達することから、「現状のペースならまだまだ余裕がある」とまとめています。なお6月は、新築における「即時交換」の利用率が3分の1に達しました。

■「環境配慮」をどう顕在化させるか

 国土交通省が実施したアンケートで、回答者の85%が「エコ住宅での暮らし」に関心があるとする調査結果がまとまりました。これは「理想の住まい」をたずねた調査で、言うなれば国民の「潜在ニーズ」を調べたものです。環境に配慮した生活をしたいというニーズがすっかり浸透したことを示しています。この潜在ニーズをいかに顕在化させるか、ビジネスに結びつけるかが、事業者側に問われています。今こそ「消費者目線」が問われているのではないでしょうか。調査結果では、理想の住まいの性能の優先順には「採光・通気性」、「省エネ性」の順でした。太陽の光が差し込み、風が吹き抜け、さらにエネルギーコストが抑えられる−−。そうした住宅像がイメージされていると予想されます。

まとめ

 大手住宅会社の受注実績は上向いたものの、景気回復はまだら模様の状況にあります。景気刺激策は続くものの、物珍しさも徐々に薄れつつあるといえるでしょう。中だるみを危惧する声も出始めており、今後も経営の舵取りには細心の注意が必要です。本年限りと見られていた住宅エコポイント制度ですが、ニーズが比較的堅調であることから、所管省庁のうち国土交通省が来年度予算でも継続できないか検討に入りました。予算案は例年、年末までにまとまるのが一般的です。今後も業界ニュースを注目しておく必要がありそうです。

<ライタープロフィール>
梶井 浩
1970年生まれ。大学卒業後、住宅専門新聞社に就職。記者職を6年間勤めた後、独立。住宅・建築関連の取材を続けて17年目。
現在も建築専門誌、専門 webを中心に執筆中。