今月の業界NEWS トピックス

プレハブ協・和田会長「住宅エコポイントと省エネを旗印に」

 プレハブ建築協会の和田勇会長(積水ハウス会長兼CEO)は記者会見で、「今後は、住宅エコポイントと省エネを旗印に、住宅業界として徹底的に『環境』に取り組んでいく必要がある」との認識を示した。環境性能に優れた住宅を建設することで、経済が活性化し雇用促進にもつながるとしている。和田氏は新内閣発足後の政府の新成長戦略に住宅投資の活性化が盛り込まれたこと、ローン減税や贈与税非課税枠の拡大が行われたこと、住宅エコポイントの付与といった「各種施策の効果が現れてきつつある」と評価した。政府の各種の施策について「これらがなければもっとひどい状態だったと思う」とした上で、政府に対し「エコポイントや省エネ関連の補助金をワンパックにするなど、1件あたりの金額が多くなるような配慮」を求めた。
(2010年6月9日付 配信)

大和ハウスがカタログの一部をデジタルに移行

 大和ハウス工業は、戸建て住宅「xevoAI(ジーヴォ・アイ)」の商談ツールとして「D・BROWSER(ディーブラウザー)」を開発した。商品の内容をわかりやすく伝えるという本来の目的に加え、「紙媒体からの脱却」という、新たな営業スタイルへの試金石とも位置づけている。ディーブラウザーは、営業マンがノートパソコンに入れて持ち運ぶ。商品コンセプトやデザイン、プラン、アイテム、性能などに関する説明を、3D映像や音声を含めたさまざまなビジュアルで表現する。主に見込み客に対する商談ツールだ。ジーヴォ・アイは、30歳代の子育て世代向けのエコライフ住宅という位置づけ。デジタルツールに違和感なく親しめる消費者層向きの商品だと判断した。
 紙の利用量削減も課題だ。渦居隆司・同社取締役常務執行役員は「展示場で複数社のモデルを見て回るユーザーは多い。顧客が興味を持てばカタログを開いていただけるかもしれないが、そうでなければ捨てられて終わり」と語る。
(2010年6月16日付 配信)

住宅エコポイント発行数は延べ15億円超に

 国土交通省、環境省などは6月11日、5月末時点でのエコポイントの申請件数を公表した。新築が4641戸、リフォームが1万7407戸で合計2万2048戸となり、前月より5655戸増加した。ポイント発行に至ったのは新築で1932戸、リフォームで1万6829戸。リフォームのうち「窓の断熱改修」は1万6724戸で、89.2%に達した。
 5月のポイント発行数は新築で5億7960万ポイント(1ポイント1円相当)、リフォームが7億2456万ポイントで、合計13億416万ポイント。累計では約15億5千万ポイントが発行された。ポイントの交換用途では、追加の工事費用に充てられる「即時交換」が新築では発行ポイントの49.8%の割合に。一方、商品券・プリペイドカードに交換されたポイントは、交換ポイント全体の61.4%だった。
(2010年6月16日付 配信)

【記事配信元 住宅産業新聞

今月のフォーカスポイント

「環境の時代」はデジタルが担う

 住宅最大手の大和ハウス工業がカタログの一部をデジタルに移行しました。同社役員は紙のカタログについて「捨てられれば終わり」と述べています。日本には様々な紙媒体があふれていますが、中でも大手企業のカタログは相当の印刷費をかけ、良質の紙を用いてつくられるのが常です。中小企業としても見逃せない動きでしょう。大手住宅会社を中心に組織するプレハブ建築協会の会長は、「住宅エコポイントと省エネを旗印に」すると述べました。大手でも「環境シフト」が大きく進み始めたことが伺えます。住宅エコポイント制度は相変わらず好調です。発行額は累計で15億円を超えました。

ポイント

■紙からデジタルへ、広告も移行期に

 出版業界へいま、電子出版の波が押し寄せています。きっかけはアップルが発売した「iPad」です。買い手である最終消費者から見ると、本はとにかくかさばります。整理して捨ててしまうとその情報が二度と読めなくなります。このため電子化の潜在ニーズはもともと大きかったのですが、データ化した書籍を読む際の適切な端末がこれまでありませんでした。iPadはそうした閲覧に特化した端末と言うことができます。閲覧環境が整ったことで、一気にブームが到来しているのです。その一方、高額商品のカタログは「最後まで紙のまま残る」と言われてきました。数千万円の買い物には、豪華なカタログが添えられるのが消費者心理として当然だったからです。住宅最大手の大和ハウス工業がそれを一部ではあってもデジタル化したのは、注目すべき大きなうねりではないでしょうか。

■「紙はムダ」と感じるネット世代

 大和ハウス工業は複数の商品を展開していますが、中でも最新技術を多く採り入れた、30代など若い消費者層向けの商品のカタログをデジタル化しました。日本にインターネットが上陸したのは1984年。その後、95年ごろから一般にも普及しました。いまの30代はすでにインターネットがあるのが当たり前の「ネット世代」です。電子書籍を熱望する「紙はムダ」だという人が特に多い世代ともいえます。同社はここに着目しました。ネット世代は、ホームページで住宅会社を選別することなど当たり前。動画を見たりゲームを楽しんだり、生活の中心にネットがあります。その層にデジタル販促材料がマッチしていると見たのです。

まとめ

 広告のデジタル化はこれから大きな可能性を秘めると言われています。デジタル広告では動画を採り入れることができますし、3Dモデルを自由に動かすこともできます。インターネットに接続された端末であれば、リアルタイムに情報を採り入れられます。従来の広告は手渡せば終わりでしたが、インターネット経由のデジタル情報は常に更新されることが当たり前です。紙からデジタルへ、媒体が切り替わることは、顧客との関係が変化することでもあるのです。いつの時代も顧客との関係構築は課題ですが、すでにその道具としてデジタルツールは捨て置けない存在になっています。また紙は優秀な素材ですが、過剰にばらまかれ、誰に読まれることもなく捨てられる場合が多々あります。それは少なくとも、「環境の時代」に合致しているとは言いがたいのではないでしょうか。

<ライタープロフィール>
梶井 浩
1970年生まれ。大学卒業後、住宅専門新聞社に就職。記者職を6年間勤めた後、独立。住宅・建築関連の取材を続けて17年目。
現在も建築専門誌、専門 webを中心に執筆中。