今月は、6月22日東京会場を皮切りにスタートした財団法人建築環境・省エネルギー機構主催の「既存住宅の省エネルギー改修講習会」に参加してきましたので、早速、その概要についてお伝えします。
「省エネ改修」は、今まさに注目されているテーマとあって、会場には非常にたくさんの人々が参加されていました。講習会は昼休憩をはさんで約5時間のプログラムで構成されており、講師陣については、実に6名もの先生方による解説がそれぞれ行われ大変有意義な講習会でした。
まず、今の住宅産業のかかえる背景を簡単に振りかえってみましょう。日本は、低炭素社会に向けてCO2排出量を、2020年に25%削減、2050年までには80%削減の目標を掲げている一方で、住宅・建築分野では、CO2排出量の増加が続いています。日本の掲げている目標を達成するためには、住宅の省エネルギーの推進によるCO2排出抑制を図ることが必要不可欠なのです。
新築住宅に関しては、省エネルギー法が順次強化されるとともに、多彩な省エネルギー手法が提案・実用化されてきました。しかし、その一方で約4,700万戸に上るといわれている既存住宅のうち、70%(約3,290万戸)は平成4年以前に建てられた断熱レベルの低い住宅であると言われています。その既存住宅の省エネルギー化が重要な課題であるものの、なかなか取り組みが進んでいないのが現状です。
その理由としては、断熱改修などの費用対効果を明確に提示できないために、ユーザーがその効果を十分に認識できないことが一番大きいと考えられているのです。今回の講習会のテキストとして出版される「既存住宅の省エネルギー改修ガイドライン」では、省エネルギー改修するための具体的な設計・適用手法をできるだけ実態に即した形で解説されています。
ガイドラインの中身を少し紹介しますと、第1章は省エネ改修のフローと要素技術の概要について、第2章は建物外皮の断熱についての各種手法が述べられています。そして、第3章ではケーススタディや実験住宅から効果的な省エネ改修手法を検証しており、ポイントとしては冷暖房エネルギー削減効果が最も大きい部位は開口部ということでした。第4章で様々な改修手法を組み合わせて実施された改修6事例を紹介。
実証実験を元にまとめられた本なので、住宅の設計・施工に携わっている方にとっては、大変参考となる内容となっています。
2050年には、新築とリノベーションの割合が1:9となる検証データも紹介されていました。今後の住宅産業を乗り切っていくには、省エネ改修の正しい知識と高度な技術が必要不可欠なようです。今回のガイドラインは、既存住宅に対して省エネルギー改修を施主様に提案・提供する際の強力な手段となるでしょう。
【今後の開催スケジュール】
- 名古屋:平成22年7月13日(火)13:00〜17:00 名古屋ルーセントタワー
- 大阪:平成22年7月14日(水)10:00〜15:00 大阪国際会議場 グランキューブ大阪
- 福岡:平成22年7月23日(金)12:30〜16:30 福岡県中小企業振興センター
主催:財団法人 建築環境・省エネルギー機構
