住宅エコポイント延長、省エネ義務化の検討会=政府動向
国土交通省と経済産業省が省エネ基準義務化に向けた検討を始める。近く2省で検討会を立ち上げる。民主党の前原誠司・国土交通大臣は「将来的には新築住宅の省エネ化率100%を目指す」とした。現行省エネ基準の見直し、省エネ化支援策などを取り上げる見通し。検討結果は本年内にまとめる。また国交省は住宅の省エネ化支援の一環として、来年以降も住宅エコポイント制度を継続、拡充する方針を示した。新たに検討する省エネ新基準では、外壁、窓の断熱性に加え、冷暖房、給湯などの建築設備の効率性や太陽光発電も総合的に評価する。民主党の三日月大造国交大臣政務官は、義務付けにあたっては「中小工務店への支援を含めた対策」も必要だとした。
(2010年4月21日付 配信)
省エネ性能の「見える化」も必要=成長戦略会議
国交省成長戦略会議(議長=長谷川閑史武田薬品工業社長)が4月13日に提言の素案を公表した。住宅・都市分野の重点項目は、住宅投資活性化では、優良な新築や中古購入、リフォーム工事への支援拡充、老朽マンション再生に向けた管理ルールや改修・建替促進策を講ずるとした。また素案では、温室効果ガスを2020年に1990年と比較して25%削減するとの政府目標達成に向けた工程表の作成。住宅エコポイントの拡充や省エネ性能の可視化、大規模建築物の省エネ基準強化も必要だとしている。会議後の記者会見では、既存マンション再生に当たって、マンション管理法や区分所有法の改正も視野に入れた具体策の提示も示唆された。今後、関連業界のヒアリングを進める。
(2010年4月21日付 配信)
サッシメーカーとガラスメーカーが提携
トステムと旭硝子は、新しい高性能・高品質な「窓」の開発・製造・販売に関する業務提携を行うことで合意し、4月15日に基本合意書を締結したと発表した。記者会見で明らかにした。ガラス業界とサッシ業界のリーディングカンパニーとして、地球温暖化問題への貢献を目指す。(1)開発事業、(2)機能ガラス事業、(3)窓組み立て事業、の3事業について、年内にも個々に合弁会社を設立する。旭硝子の持つエコガラス技術、トステムの断熱サッシ技術を相互活用していく。新たな窓製品では、これまでガラスとサッシで個別に行っていた性能表示や品質保証を、一体としてわかりやすく消費者に提示するほか、2社共同で性能保証する考え。
(2010年4月21日付 配信)
【記事配信元 住宅産業新聞】
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今月の配信記事でも、最も動きが活発だったのは「エコ」でした。国土交通省と経済産業省が2省にまたがる検討会を設立、「省エネ化率100%」(前原大臣)を目標に動き出しました。国交省が設置した「成長戦略会議」は住宅分野において、「省エネ性能の可視化」、つまり「見える化」が必要だと提言する模様です。部品メーカーの合弁も始まりました。従来、窓のサッシ枠とガラスは、別々の企業が製造・販売し、現場で組み立ててきました。これを両社が一体となって行い、「窓」全体の性能を表示する方針が示されました。
ポイント
■「省エネ化率100%」の衝撃
まだ検討段階ですが、「新築住宅の省エネ化率100%」という政府試案が示されました。どのような方法で義務付けるかは不透明ではあるものの、実施されれば住宅業界が激変するのは間違いありません。断熱施工については地域的な取り組みの差も大きく、北海道などの先進地域に比べると関東以南はまだ取り組みが遅れているのが実態だからです。新築住宅と既存住宅の性能差はさらに広がることになり、その差を埋めるリフォームのニーズもより高まるのではないでしょうか。「暑さ」「寒さ」は感覚的な問題でもあります。日本には「四季」という言葉があるように、時期別の気温差は比較的大きいのです。
■ポイントは性能の「見える化」にあり
国交省成長戦略会議は、さらに踏み込んだ提言を予定しているようです。この会議は観光誘致なども含んだ日本全体の成長戦略を描くためのものですが、その提言の一つとして、住宅を取り上げています。その一つとして挙げた「省エネ性能の可視化(見える化)」は、消費者に選択肢を示す指標となるだけに、非常に重要なものです。今回ピックアップした記事では、サッシメーカーとガラスメーカーの提携もありました。「窓」は従来、枠と障子はサッシメーカーが、ガラスはガラスメーカーが、それぞれ製造・販売しており、「窓」全体での性能表示を行うことができませんでした。それが統一的な表示に切り替わる見通しです。今後、こうした動きはより一層進むのではないでしょうか。
まとめ
国交省成長戦略会議の提言は、特に既存住宅の再生については、新たなビジネスの萌芽も感じさせます。すでに人気を博している「内窓」はマンション所有者にも好評ですが、マンションでは窓が法に基づく「共有部分」とされるため、そもそも障子など既存サッシ側の交換は非常にハードルの高い工事となっていたことが背景にあります。法改正を含めた施策により、「省エネリフォーム」の関心自体が社会的に大きくなるかも知れません。一方、政府は住宅エコポイントの継続も方針として示しました。今後もエコポイントは大きなセールスポイントとして「使える施策」になるのではないでしょうか。
<ライタープロフィール>
梶井 浩
1970年生まれ。大学卒業後、住宅専門新聞社に就職。記者職を6年間勤めた後、独立。住宅・建築関連の取材を続けて17年目。
現在も建築専門誌、専門 webを中心に執筆中。
