次のトレンドは省エネと快適性の両立
これからのお風呂・キッチンは、「豊かな暮らしを楽しみながらエコ」がトレンドになりそうだ。中でも住宅における一次エネルギー消費量のうち、給湯設備は全体の約4割を占める。そのため、住宅で日常的にお湯を使用する水回りでの省エネ対策が、住宅の省エネ性能向上に大きく寄与する。手軽さから注目を集めているのが「節湯型機器」だ。快適な使用感を維持しつつ、無駄な湯水を省き、不要な給湯エネルギー消費量を削減する水栓やシャワーを指す。
住宅設備メーカーは、自社製品に対応する節湯型水栓やオリジナルの節湯機能を搭載、省エネ性能と独自性を高めている。またキッチンでは、食器洗い乾燥機が手洗いより節水・省エネ性が高いことが知られている。
(2009年11月4日付 配信)
大手住宅メーカーが相次ぎ「W発電」搭載
大手住宅メーカーで、太陽光発電システムと家庭用燃料電池(エネファーム)を組み合わせる「W(ダブル)発電」への取り組みが強まってきた。
積水ハウスが環境配慮型住宅「グリーンファースト」仕様で積極的に採用するほか、旭化成ホームズやミサワホームがキャンペーンを展開。大和ハウス工業や住友林業も、春の新商品から提案を行っている。これまで「オール電化」を推進してきたパナホームも、今年度下期からダブル発電強化を打ち出した。
(2009年11月11日付 配信)
住宅エコポイント、制度概要は年内に
2009年度第二次補正予算案審議で現在、「住宅版エコポイント制度」の創設が検討されている。国土交通省は他省と連携、新築時や改修時の躯体や部材の省エネ性能などにポイントを付与する方向だ。消費者にわかりやすい制度を目指し、大枠を年内にまとめる。菅直人副総理、前原誠司国交通大臣は記者会見で、同制度を進める方針を明らかにしていた。
国交省は現在、断熱窓を採用した際の断熱性向上など、省エネ性が向上する度合いに合わせてポイントを付す方向で検討している。住宅性能表示など既存の制度を活用することで、不正申請や悪質業者をチェックする方針。家電で実施されているエコポイント制度との連携も検討する。
(2009年11月25日付 配信)
【記事配信元 住宅産業新聞】
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今月は、新たな「環境の時代」を感じさせる記事をピックアップしました。まず大手住宅メーカーが相次いで「W発電」に乗り出していることが分かりました。時代に敏感な感度の高い消費者に自社の存在をアピールするためと見られます。一方、建材・設備メーカー各社も、「手軽に取り組めるエコ」のラインナップを強化しつつあります。「エコ対応」の幅が広がっていることが分かります。さらに現在審議中の09年度第二次補正予算では、「住宅版エコポイント制度」が検討されていることも明らかになりました。政府の強力な後押しが始まることになります。
ポイント
■「エコ重視」の顧客説明とは
地球環境問題は非常に複雑で、かつ巨大な問題です。一軒一軒の家庭で行えることには限りがあります。こうした問題は、社会全体のうねりとして、徐々に解決されるという過程をたどります。現在はまだそのスタートラインに立った段階です。快適性を犠牲にし、無理をしてまで「究極のエコ」を求める消費者は、まだごくわずかでしょう。節水、節電によるランニングコストの低減効果など、目に見える利益がなければ、現時点では多くの消費者は目を向けません。創設が検討されている「住宅版エコポイント制度」は、「住宅性能表示制度」をベースにするという案が有力です。つまり性能表示制度における「省エネ等級」に沿ってポイント付与の割合が変わります。消費者から見ると、利益と効果の関係性を示すものとして、非常に分かりやすい説明になるでしょう。
■ランニングコストと快適性とがカギに
冷暖房のエネルギーコストや環境負荷を減らすこと一つを取ってみても、優先順位があります。性能表示制度では、地域ごとに開口部や躯体の断熱性基準を設けており、その合計で等級を決めています。エコポイントでつながる、家電との連携も欠かせなくなるでしょう。最新のエアコンにするだけで、10年前の機器と比較すればランニングコストは半減するからです。ランニングコストが下がり、快適性が高まり、しかも結果的に環境負荷が下がる──。「エコ」や「省エネ等級」を切り口に、どうやって住まい手の体感に訴える説明を行うかが最大のポイントとなるでしょう。
まとめ
大手住宅メーカーが相次いで「創エネ」に乗り出した背景には、現在の消費者の変化があります。「住宅」は、より自動車のような高度な工業製品に近い存在になりつつあるということです。消費者の「商品選び」をいかにサポートできるか──つまり、「製品知識」が今後、ますます重要性を増すと考えられるのではないでしょうか。
<ライタープロフィール>
梶井 浩
1970年生まれ。大学卒業後、住宅専門新聞社に就職。記者職を6年間勤めた後、独立。住宅・建築関連の取材を続けて17年目。
現在も建築専門誌、専門 webを中心に執筆中。
